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『ベッジ・パードン』観てきました。

2011/7/3(日)
世田谷パブリックシアター!!
観てきました♪
三谷作品
『ベッジ・パードン』

[作・演出] 三谷幸喜
[出演] 野村萬斎/深津絵里/大泉 洋/浦井健治/浅野和之

~漱石が文豪になる前、夏目金之助の頃、
  明治政府の命を受け、望んだ訳ではないけれど、英国留学へと旅立った1900年。
 ロンドンの下宿屋で出会った小間使いの女性との交流を中心に、
  周囲の人々と繰り広げる面白可笑しくも、ちょっと苦くて、悲しい物語~

三谷幸喜初のラブストーリーです。

この物語は、夏目漱石の実際の留学時代のエピソードがモチーフになっています。
ノイローゼに陥ったとか・・・
その時書いていた日記に度々登場する女性がいた事や・・・
その女性アニー・ペリンがコックニー訛りで話すと
「アイベッグユアパードン(もう一度お願いします)」が
「ベッジ・パードン」と聞こえるので、“ベッジ”というあだ名を付けたとか・・・
夏目漱石は、はじめから“文豪夏目漱石”!!なイメージだった私にとっては、ちょっと意外でとても新鮮なエピソードが沢山。
パンフレットを読むと更にヘェ~って驚きです。
日記や、妻への手紙、同期の正岡子規に宛てた手紙などの一文が載っています。
漱石を“文豪”としてでは無く、1人の人間として感じ、とても面白かったです。

舞台の詳細はコチラ
公式サイト

世田谷パブリックシアターは初めて行く劇場でした。
三軒茶屋に着きつつも若干迷い・・・到着。

110703.jpg

劇場内はちょっと不思議な色合いで・・可愛くて好ましい内装に、なんだか絵本の世界に入ったような、そんなワクワク感を覚えました。
素敵な劇場です。

席についてビックリ!!!
A列って書いてあったから一番前って期待していきましたが・・・舞台近い!!!
1メートル離れているかどうかって距離感でした。
案の定、役者さんも近い近い・・・けっこう照れます。

舞台美術も間近です。

とても素敵でした。

幕はロンドン地図になっています。

その幕が上がると、窓のある赤レンガの壁が一面に広がりました。
その壁に照明が当たって段々明るくなっていくところなんか、まるで本当に陽が射し込んでくる様です。

上を見上げたらベッジこと深津さんの可愛い顔がひょこんとのぞいています。

窓越しに夏目金之助こと野村萬斎さんが見えます。

上からは赤い落ち葉がひらひら・・・

とても穏やかな空気が流れていました。

そんな壁も上(!?)にあがり部屋のセットがお目見え。

ロンドンの小さな下宿部屋!と廊下に階段・・・
この舞台のセットは稼働しません。
全てのお芝居がこのセット内で繰り広げられます。

セットは変わりませんが、照明や小道具によって様々な時間と季節の移り変わりが表現され、明るく楽しい感じから、切ない感じまで場面場面で様々な雰囲気が創り出されていました。

舞台奥の窓が特にその効果を強め、雪が降ったり、夕暮れ、黄昏時の色合いに染まったり、明るい光が射し込む朝・・・と実に様々に移り変わる景色が印象的でした。

美術は種田陽平さんという方なのですが、けっこう有名な方?の様です。


さて、美術の事はこの辺にしておいて・・・

この舞台は、はじめっから観客が声をだして笑いっぱなしです。
こんなに自然にずっと笑った舞台は初めてかも。

オープニングは、金之助こと野村萬斎さんが下宿を訪れ、下宿家の主人ブレッドこと浅野和之さんとのやりとりからはじまるのですが、もうそこから笑いどころ盛り盛り沢山でした。

英語が聴きとれない風な金之助。
英語を理解しているフリをしてやたらと笑顔で「ありがとう」を繰り返す・・・当然かみ合わない(笑)

萬斎さんと浅野さんが作りだす、そのかみ合っていない“間”が最高に可笑しいのです。

野村萬斎さんは、私的にこの役にとても合っていた様に思います。
狂言の世界の方って品があるというか、ちょっと独特な雰囲気があると思うのですが、その雰囲気が、砕けきれないちょっと固くて真面目な金之助に妙に合っていました。
以前観た、“ファウストの悲劇”のファウスト役な萬斎さんより、私はずっと好きです。
そんな固めな金之助ですが、後半はだんだん砕けてきて、ベッジとのラブラブなやりとりがちょっと可愛かったな♪♪

大泉洋さんは登場しただけで笑いが・・・
ちょっとした仕草や表情が・・・わぁ~ドラマと一緒・・・いやもっと面白いo(^-^)o
金之助の一階下に住む下宿の先輩惣太郎役・・・いつも明るくて調子が良くて社交的・・・でもその裏には実は・・・。
客席の大きな笑いをとる、緻密に計算されている演技も素晴らしかったのですが、クライマックスで剥がれ落ちた奥から見えはじめる惣太郎の隠されたもうひとつの顔・・・
サスペンスを観ている様なドキドキ感がありました。
大泉さんは、そういう役も出来てしまう・・・嬉。

浅野和之さんは1人で11役!!
11変化は登場する度にかなり爆笑です。
下宿主人、女主人、悪党、ヴィクトリア女王、犬・・・etc
男から女から動物まで、全ての変化で笑いをとるって凄い!!!
どの変化が一番かなぁ・・・って悩みますが・・・選べませんね(笑)
浅野さんにこんなに注目したのは初めてです。
ドラマでは知っていますが、舞台だとこんなに弾ける方なのですね!!
しかしあの変化は衣装から化粧から鬘や姿勢や・・・相当作り込まれていて、大変そうでした。
舞台の中で一番体力の入りそうな役を一番先輩な役者さんが演じてる・・・凄っ。

深津絵里さんのベッジは可愛い!!
愛嬌のある豪快なドタドタした行動や言動に笑いを誘われますが・・・
ベッジはたまにドキっとする台詞を言います。
例えば、
金之助に、自分(ベッジ)と話しやすいのは何故かわかる?って聴いて・・・
「下に見てるからさ」
って。それまで金之助とベッジが作りだしていた楽しげな雰囲気が一瞬にして変わりました。
基本豪快で笑顔なベッジですが、たまに見せる悲しげな、諦めた様な表情・・・
深津さんの作りだす二つのコントラストがクライマックスに向かう程色濃くなって胸を締め付けられるような切なさを感じました。

浦井健治さん演じるベッジの弟グリムズビーは・・・
ボッサァ~な頭で髭で・・・誰??って登場でした(笑)
基本、私の中では王子様なイメージの強い浦井さんが・・・(驚)
演技の幅が広い方だなぁって改めて感じました。
登場から、かなりのオーバーアクションで予測不可能な動きが可笑しくて、可笑しくて・・・最高だぁ~!(笑)
ムサイけど、やっぱり浦井さんの笑顔がチャーミングで、お姉さん役の深津さんとのやりとりが妙に可愛かったな♪
2人で抱きあってクルクルまわったり、ベッジの膝に座る大きなグリムズビーとか、まるで子供で・・・きゅん。
最初は、ベッジのお兄さんって設定の役だったようですが、浦井さんを見ている内に実の弟って設定に変えたらしいです。
三谷さんグッジョブ!!演出に感謝。
浦井さんの役はすごく複雑な役です。
一見、お姉さんの事が大好きで仲の良い姉弟なのですが、自分の借金の為に姉を売ろうとする面もあり・・・
助かりたくて姉に泣きつき不幸にする・・・
でもお姉さんは好きだから本当は幸せになってもらいたい・・・
けど、自分を犠牲には出来ない・・・
なんて矛盾。歪んだ役です。
浦井さんの演技からもそんなグリムズビーの迷いが随所に感じられました。
この舞台で物語を動かすキーになる役でもあります。
救いようの無い、ロクデナシ役なのですが、何だか憎めないのは三谷さんの演出か、浦井さんのキュートな笑顔のせいなのか・・・。
浦井さんの役は、なかなか台本が上がってこなくて、他の方の稽古が進む中、かなり焦ったり悩んだり・・・
登場した後も、スピーディーな稽古についていくために必死で、ご飯を食べる間も惜しんで痩せてしまった程に大変な稽古期間だった様です。
浦井さんは毎回その役、演技に対する真摯な誠実さが感じられる本当に素晴らしい俳優さんです。
・・・・贅沢を言えば、もうちょっと出番があっても良かったんじゃないかなぁと・・・ボソ。
だって、はじまってから50分位はまったく出てこないのですもの。
もうちょっと深いところまで掘り下げても耐えられる役だし、俳優さんだったんじゃないかなぁって。
まぁ、これはファンの欲目ですかね?^^

基本は笑い一杯のコメディ・・・その中に切ない悲しさを織り交ぜ、メリハリが有る舞台。
そういう舞台って観ていて、本当に面白い!
隠された内面的な暗い部分も、それぞれのキャラに巧みに織り込まれている魅力的な舞台でした。
癖のあるお芝居は万人に勧められませんが、この舞台は万人にオススメできる上質なお芝居だと思います。
なので周りにオススメ中(笑)
7月末まで上演中です。
(ハッΣ( ̄□ ̄)でも最後まで読んで下さった方にはネタバレしちゃってますね。。。汗)

theme : 舞台とミュージカル
genre : アイドル・芸能

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