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音楽劇『リタルダンド』観てきました。

7/27(水)
PARCO劇場へ仕事帰りに寄りました!

お目当ては、

音楽劇
『リタルダンド』


110727.jpg

予告編動画


作 : 中島淳彦    演出: G2
音楽: 荻野清子
出演: 
吉田鋼太郎(笹岡潤治 ― 音楽雑誌「リタルダンド」編集長。若年性アルツハイマーを発病する。)
一路真輝(笹岡洋子 ― 潤治の妻。結婚したばかり。)
高橋由美子(吉野康子 ― 潤治の部下。過去に潤治と1度だけ関係を持ち、いまも忘れられない。)
伊礼彼方(藤原雅彦 ― 潤治の部下。吉野に秘かな好意を持っている。)
松下洸平(笹岡啓治 ― 潤治と亡くなった前妻・恵の子供。)
市川しんぺー(泉拓郎 ― 潤治の大学の後輩。音楽評論家。)
山崎一(小松義男 ― 洋子の兄。)

あらすじを簡単にいうと
音楽雑誌「リタルダンド」の編集長潤治が若年性アルツハイマーになってしまう。
雑誌はまさに特別号の作成中。
潤治の部下康子と藤原の願いもあって、会社には隠しながらでも潤治に仕事を続けさせてあげたいと、妻の洋子は自宅を仕事場にする。
康子、藤原、大学の後輩泉の協力も得ながら少しずつ完成に向かうが、同時に潤治の病状も進んでいく。
妹に苦労をしてほしくないと、離婚を勧める洋子の兄、小松。
潤治と亡くなった前妻との間の子、啓治。
病気の不安と恐怖に翻弄されながらくじけそうになる夫婦の姿、それぞれが織りなす切なく愛おしい物語。

公式サイト


注:ここから先大きくネタバレしています。






 ― 最愛の人が壊れてゆく。

   ― ちょっと待ってよ、止まれとは言わないから。

      ― 時間よ、お願い、リタルダンドで。




舞台タイトルにもなっている“リタルダンド”は、「だんだんゆっくり」という、テンポを表す音楽用語だそうです。
作中では、キーとなる音楽雑誌のタイトルにも使われ、登場人物それぞれの想いを・・・願いを・・・表しているような言葉だと感じました。


 こぼれ落ちる記憶が、壊れゆく時のスピードが、少しでもゆっくりと・・・と。


私の近しいところには、幸いに・・・って言ったらいけないかもしれませんが、アルツハイマーの方はいません。
ですが、確かに愛する人がその病気になったら、そう願わずにはいられないと思います。

実際に経験されている方の想いはもっと複雑で言葉になんて出来ない様々な事があると思いますが、単純にそう思ってしまいました。

そんな重めな難しいテーマを舞台でどう表現するのか、演じるのか・・・
本当に観るまで想像もつきませんでした。
また、ただ暗くて苦しいような舞台なのかなぁ?とチケット買う時ちょっと二の足踏んでいました。
ですがキャストが好きな方ばかりなのと、G2さんの演出を一度観てみたくて購入。
観に行って良かった~。


この舞台は号泣するよって聞いていたので、タオルハンカチを持っていったのですが、すぐに役立ちました。
握りしめたが最後、ずっとラストまで離せませんでした。


日常的な光景から始まりますが、バックでは、自分がどこかおかしいと気付く潤治(吉田鋼太郎)の不安な気持ちに合わせてピアノが不協和音を奏でています・・・
その音を聴いていると観ているこちらも潤治の心とリンクするように不安感がどんどん増してきます。

潤治と吉野(高橋由美子)、藤原(伊礼彼方)の3人で始まる笑いどころが沢山あるプロローグですが、笑いながら不安でもある・・・不思議な気持ちになりました。

沢山の「アレ?おかしいなぁ。何だっけ?思い出せない・・・分からない・・・」
場面が進むにつれ、そんな潤治の行動、言動、1つ1つがドンドン重なり、周囲も異常に気が付きながらどうしたらいいのか踏み込めない・・・踏み込みたくない・・・
それぞれの想いが交差し・・・不安をためたグラスの水がついに溢れだす・・・

  「うるさいよぉ!」

  急に暴力的になり、我に帰る。

  またおかしな行動をして・・・どうして・・・

  自分が分からない・・・

  彼が分からない・・・

  ピアノの不協和音がドンドン早くなり不安が恐怖へとかわる・・・


聴いている私の鼓動もドキドキ早くなりました。
本当にこのシーンは怖かったです。

そこで歌い出した潤治の歌声を聴いていると、たまらない思いになり涙が滲みました。


 ♪記憶が・・・どこかへ・・・

     手のひら・・・指の隙間から・・・
          
             零れ落ちてゆく・・・ 


一番初めの歌いだしだったからかも知れませんが、このフレーズが忘れられません。
どこかヒヤっとするような不安と恐怖を滲ませながら・・・
周囲へ伝染する不安・・・
これまで異常に気が付きながらも、気が付いてないふりをして誤魔化してきた人へも突き刺さるリアル。

この歌の後に、潤治が自ら病院へ連れて行って欲しいと妻へ頼むのですが、
この場面がこの舞台の大きな1つの見せ場だったと思います。
若年性アルツハイマーだと確定される。
今まで非日常だった世界の生活が日常へと変わる・・・ここからがもう一つのスタート。



忘れたくないんだ・・・

潤治がたびたび「今日は何月何日?何曜日だ?」と聞いて、メモをとります。
場面が進むにつれてメモが壁のそこかしこに貼られていきます。
このメモが後でとても重要な役割を果たすのですが・・・

その想いとは裏腹にどんどん薄れる潤治の記憶に、周囲の人間がそれぞれの焦燥感と不安感にさいなまれ・・・

印象的だったのが編集長への吉野の想い。
過去に潤治と一度だけ関係を持ち、その思い出を大切にしている彼女。
記憶は新しい方から消えていくと知り、「私の記憶は新しい?古い?」って潤治に尋ねる様子が切なくて。
ついに潤治が自分の事を新人の頃の「吉野姫」ってあだ名で呼び始めた時、
大切にしてきた思い出が・・・あの頃の自分が潤治の中から消えてしまったのを知り・・・
高橋由美子さんの笑い顔と泣き顔が一緒になった様な表情と演技に涙が止まりませんでした。
吉野はどちらかという男前でサッパリな感じのキャリアウーマンタイプで、部下の藤原をからかって遊んだり。
でも女性らしい部分もあり、周りの空気を読んで細やかに動いたり・・・
サバサバしつつも可愛らしくて、面白いキャラが高橋さんにピッタシでした。
そんなキャラだからこそ、誰にも見せなかった心の弱い部分がふと見えた時が際立って余計悲しかったです。


男として編集長に憧れを強く抱いている藤原の想いが熱かったです。
憧れていた編集長が消えていく・・・
一緒に最後の音楽雑誌をどうしても完成させたい藤原の熱意が伊礼彼方さんの演技からとてもよく伝わってきました。
やり場の無い荒々しい若者特有の熱気がある演技にも魅せられ・・・
秘かに想いをよせる吉野を見守る静かで淋しげな眼差しにも魅せられ・・・
彼の演技はやっぱり目を惹きます。
同じミュージカル畑の高橋由美子さんとのデュエットシーンは聴き惚れました。


若いと言えば、潤治の息子役の松下洸平さん
まさに再婚に反対して家出した息子にピッタリでした。
演技にとても観惚れたというわけでは無いのですが、若手の役者さん特有の新鮮さが、啓治役の雰囲気に合っていました。
演技では無く、そこに本当の父と息子がいるような印象でした。


ちょっと異色な感じで良い味だされていたのが、大学の後輩泉役の市川しんぺーさん
親切なのか?不親切なのか?さっぱり分からないキャラでしたが、最後まで観ると、何故か好意的な気持ちになりました(笑)
始終厭味ったらしい言動が多くて、ハラハラする程でしたが、どこかに潤治にたいする愛情?友情?も感じ。
その煮ても焼いても食えない感じのひょうひょうとした感が市川さんっぽいのかしら(笑)
印象的な台詞が、妻に自分がアルツハイマーになったらどうする?って質問したらの答えで、
「長いお葬式だと思って我慢するわ」
でした。
酷い台詞か、愛情深い台詞かは観る人によってそれぞれ捉え方が違うかもしれませんが、私は愛情深い台詞だなぁと思いました。
その台詞を、「ねぇ先輩聞いてますか?」って感じで、もう何も分からない潤治の前で言うのですが、そこにもちょっと愛情を感じ・・・
なかなか深い役ですね。


唯一の潤治反対派とでもいうのでしょうか?
洋子を心配する兄、山崎一さんの演技は痛いほど気持ちが伝わって来て辛かったです。
自分の母もアルツハイマーで見送った義男は妹の事を想うと、潤治と別れさせる結論しか思い浮かばない。
みんなが潤治の味方のなか、1人で度々洋子の説得にあたりますが・・・
決して潤治が嫌いなわけでは無いと思いますが、つらい立場です。
彼の演技からは、綺麗事だけ言ってはいられない、他人事では無いリアルを感じました。


何度も洋子と別れてくれと頼みに来ていた義男・・・
そんな義男の気持ちを分かってはいるけれど、決して別れない洋子
洋子を演じた一路真輝さんがとても素敵でした。
もうひとりの主役です。
いくつもの演技に心が揺さぶられました。
潤治が洋子にこれからも2人でいこうと、手をとりあって夫婦の絆を確かめたシーンで最後に言った名前が・・・「恵」
亡くなった奥さんの名前です。
もう潤治の中には洋子はいないの?
あまりに悲しい。
それからずっと洋子は恵と呼ばれるのですが、それを受け入れつつも、たまらなくなってキッチンの中でお皿を床に投げつけた洋子。
直後に「ごめんね。手が滑っちゃって」って・・・
一路さんのお皿を割る前の一瞬の表情が、苦しくて苦しくて悲し過ぎるシーンでした。
どの方の歌声も素晴らしかったのですが、特に一路さんの歌は洋子の心情が濃く込められていて涙を誘われるものばかりでした。
潤治の一番そばにいて、これからも共に歩んで行こうとしている洋子の優しくて、切なくて悲しい歌声。
一路さん最高です。


そして、舞台始めから吉田鋼太郎さんの潤治は、本当に凄い演技でした。
前半は迫る病気への恐怖と戸惑い、悲しみが真に迫り・・・
後半は病状が進行し壊れていくような、何もわからない感じがもどかしくて、切ない!
バリバリ働いていた男と無気力にボーっとした子供の様な潤治とのコントラストが見事でとてもリアルに感じました。
歌も、自分は歌の人じゃないなんて言われていましたが、それがかえってこの役には良かったのかも。
歌の言葉ひとつひとつがすごく重かったです。
ミュージカルじゃなくて音楽劇ですから。

この舞台は、上手いってだけの歌ではなくて、それぞれの想いが込められた心の台詞が流れてくるような音楽に溢れていました。
だからこそ感情がとても揺さぶられました。
涙がとめどなく流れ落ちるほどに・・・
とても悲しくて、切なくて、時には光が差すように・・・素晴らし歌ばかりでした。


歌では無いのですが、朗読劇の様に、手紙を読むシーンがあり、それがとても心に染みました。
音楽雑誌にあと1つ足りない編集長の記事「ロックバンドのラブソング特集」
記事がかける状態ではないけれど、どうしても編集長の書いたもので仕上げたい藤原の想いに答えて、洋子が差し出した1通の手紙・・・
それは潤治のプロポーズが書かれた手紙でした。
その内容がまた素晴らしくて、詳細を覚えていないのですが、メモりたい位素敵だったと感じた事を覚えています。


一番涙を流したシーンはやっぱりクライマックス。
客席中が涙です。

もう何もかも忘れてしまったかと思わた潤治が、ふと現実に戻ってくる・・・
洋子と別れてくれと迫る義男にパニックを起こし、メモをふりまき散らしながら倒れる潤治に、シッカリしてとすがりつく洋子・・・
その瞬間潤治の口から少しずつ語れれる洋子への想い
「この人がいないとだめなんです・・・
    どこにも行かないで下さい・・・ ・・・ ・・・」
誰かがふと拾いあげたメモには、洋子さんの名前が・・・
みんなでかき集めたメモに日々の記録とともに沢山の洋子さんの名前が・・・
「上手い飯・・・洋子」
「洋子・・・買い物」
そして、ずっと忘れていた歌を歌い出した潤治・・・
舞台に光がさした様な、暖かなシーンでした。

悲しみだけではない、この舞台で最後に流した涙は感動の涙です。

演出のG2さんは

“どんな絶望の淵でも、どんな悲しみの底にあっても、人間という生き物は「笑う」ことができる”

とパンフの中で語られていました。・・・成る程、そんな舞台。

笑いの要素も盛り込まれ、病気にだけスポットが当たっているのでは無く、弱さと強さを併せ持つ愛おしい人間そのものをすぐそばに感じる舞台でした。

沢山の方に観て欲しいです。

が東京公演は終わっているので、ご都合の付く方は↓で。

2011年8月5日
【名古屋】 青少年文化センター アートピアホール http://www.h6.dion.ne.jp/~artopia/
2011年8月6日、7日
【大阪】 イオン化粧品 シアターBRAVA! http://theaterbrava.com/
お問い合わせ: キューブ 03-5485-8886
(平日12:00~18:00)
http://www.cubeinc.co.jp


theme : 舞台とミュージカル
genre : アイドル・芸能

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